片山敬介さん
さをり織り 作品ギャラリー
「自閉症」という診断を受けている敬介さんの「さをり」は温かく、素晴らしい!
片山敬介のプロフィール
片岡 敬介さん
1977年8月20日生まれ。現在、グループホームの「ぷらむ」に入所し、障がい福祉サービス事務所「アクティ」に通所しています。
福大附属特別支援学校高等部を優秀(?)な成績で卒業し、見事に立派な自閉症に育ちました。生まれた時から指先に目があるかのように繊細な神経を持ち、片時も目が離せない子でした。そして高等部入学と同時に、強烈なパニックが続いていたのですが、その反面、仕事に取り組むことにはスムーズにいき、先生の指導のもとで「カランコ織り」を覚えました。そしてまもなく「さをり織り」が出来るようになったのです。
この貴重な能力を絶対逃がしてはなるものかと思い、家でも織機を購入しました。最初は持続して織ることが出来ず、織り上がるまでには悪戦苦闘の思いでした。今では、休日にはせっせと織機がバラバラになるかと思うくらい力強く織り続け、織り上げてしまって織機から「さをり」をはずす時の表情は、充実感で満ちています。そしてなぜかしっかりと「さをりのコンテナ」にしまい込んでいます。「こだわり」という自閉症の不思議な特徴を「さをり織り」に向けることが出来、見事な自閉症の敬介にとっての「さをり織り」は、唯一の“ブランド”です。敬介の織った「さをり」には、敬介らしい、いろんなドラマが織り込まれています。
25年前、敬介の「さをり」が少しでもいい作品になるよう糸の色にこだわり、「草木染」の世界に一歩踏み込みました。現在、私が染めた糸で惜しげもなく贅沢に糸を使い、せっせと織ってくれています。色は私が、織りは敬介の二人三脚で、33年経てやっと親子のコミュニケーションがとれました。
地域の中で生きていくことがとても苦手な敬介が、「さをり織り」によって、地域の中で様々な人たちとの接点を見つけて生きていけたらと思います。
片山いく子
敬介さんの主な作品展
- ★佐野康子作品展に賛助出品(ギャラリーオーグ)18歳
- ★ふれあい作品展(マイドーム清水)20歳
- ★ねんりんぴっく協賛作品展(マイドーム清水)22歳
- ★片山敬介展(山村宅)22歳
- ★澤井玲衣子・片山敬介二人展(ギャラリー喫茶サライ)24歳
- ★二人三脚展(げんでんふれあいギャラリー)24歳
- ★敬介と織りひめ達(旧森田銀行)25歳
- ★こだわりのさをり片山敬介展(金沢シティモンドホテル)25歳
- ★片山敬介展(府中町屋倶楽部)27歳
- ★片山敬介展(県立美術館)30歳
私と敬介さん
私が、障がい福祉分野でお仕事をさせていただく中で、敬介さんと出会いました。もう30年以上も前のことです。自閉症なんていうレッテルを貼られていた敬介さんでしたが、私にとっては、特別な人となりました。お母さんのいく子さんも敬介さんとの二人三脚を果たしておられる、とても理知的で魅力的な方です。
敬介さんとお母さんのいく子さん。正直言って、私は、お二人にそんなにお会いすることはありませんが、なぜか、ずっと惹きつけられています。
人間としての原点・人間の可能性を信ずることの素晴らしさ・親と子のつながり・そして、いのちのつながり…
そんなことを、敬介さんといく子さんの親子から学ばせていただいているからです。
私が、福祉を学んだとか、障がい福祉の分野に身を置いていたとか、そんなちっぽけなご縁ではなく、つながりを生きている人間としての生きざしに照らされていたい…。私にはそんな思いがあります。
このたび、ホームページを開設するにあたり、お母さんのいく子さんの全面的なご協力によりまして、『片山敬介さん さをり織り作品ギャラリー』をアップすることができました。
敬介さんの「さをり作品集」をご覧下さい。ご希望の方には、敬介さんが精魂込めて織り上げた作品をお分けすることもできますのでご連絡下さい。
おかざき社会福祉士相談室 岡崎 賢